焙煎技術

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像は珈琲生豆。洗う前の状態です。

生豆洗浄

煎技術、と書くとタイトルは大袈裟ですが、僕がコーヒー業界に勤めていた大昔から疑問に思っていることがあります。またそれは現在に至っても、あまり改善されていません。それは何かと言うと、焙煎業者(いわゆるメーカー)はもとより、自家焙煎を行っている珈琲店でさえ、生豆を洗浄していません。僕の知る限り、道内で生豆を洗っている珈琲店は数える程です。
えば、お米は炊く前に洗う(研ぐ)のに、なぜ珈琲生豆を焙く前に洗わないのか? お米を洗う(研ぐ)大きな理由はご承知のように2点あります。それは糠を取るためと汚れを落とすためです。最近はこれらが処理された無洗米が流行ってますね。一方、珈琲生豆にも無論同じように洗う理由があるのですが、ちょっと誤解されている部分があります。こう書くと語弊がありますが、でも事実です。 「生豆を洗う?焙くから問題ないよ」 「いやウチはスペシャリティーコーヒーを使用しているから元々ウオッシュド(洗浄済)だ」 「生豆を洗うなんて面倒」 このことについて訊くと、大体3種の答えに集約されます。
ず最初の「焙くから問題ない」については、個人で焙煎する手焼きや比較的小規模(500グラム)で安価な焙煎機が直火式になっていることが挙げられます。直火焙煎方式は生豆を入れて回し焙きするドラム部分がパンチメッシュ(穴あき)で、直接生豆に火があたります。それゆえ、不純物や外皮等が燃えて炭化して無害化します。次の「スペシャルティーコーヒーはウオッシュド」については、誤解を恐れずに言うとそれは当たり前なんです。ウオッシュド(水洗い)はコーヒーの実を収穫した後に行う処理過程の工程です。処理工程には水洗いの他にアンウオッシュド方式、つまり収穫したままのナチュラルがあります。ウオッシュドは実を機械で外皮とパルプ質を剥ぎ水で洗います。その後、乾燥を経て、薄い殻に生豆が1粒入ったパーチメントコーヒーが出来ます。この殻を剥くと流通しているようなコーヒー生豆になります。世界のほとんどの国ではこの生産処理、つまりウオッシュドが一般的です。最後についてはノーコメント……です。
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像は洗った状態。時間にして30秒程ですが、それでもこんな色の水になります。さて彼の地で行われているコーヒーの実の処理ですが、日本のお米の精米技術に比べて、大規模プランテーションの処理過程は果たしてそれに勝るとも劣らない技術水準なのでしょうか? また例え同じレベルだとしても、これだけ精米技術が発展した国のお米でも各家庭で食べる時に洗う(研ぐ)のに、なぜ珈琲生豆は洗わないのか? 『生豆は焙煎するから洗わなくて良い』、を米に例えると、 『お米は炊飯するから洗わなくて良い』、となります。
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像はハンドピック(欠点豆等の除去)作業中。常識的に言うと、珈琲生豆に欠点豆の混入は欠かせません。代表的なのは欠けや割れの虫食い豆、小石、虫の死骸等etc……。実は珈琲生豆にはこれらが満載です。お米にこんなのが混ざっていたら大変ですよね? また珈琲生豆を洗うと良くわかりますが(画像参照)、水がその生豆の原産国によって、土地の土の色になります。品種によって違うのも中々味わい深いです。更に様々なモノが浮いてたり沈んでいたり(自主規制w)……。
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像は大阪の専門業者に作成していただいた当店の半熱風式焙煎機。半熱風式は生豆に直接火があたりません。密閉されたドラムを熱し、ダンパーで熱風を調整します。その為、直火式で醸し出される燻煙されたローストに近付けるには技術が必要です。kokomocaの自家焙煎珈琲は、まず生豆洗浄から行います。そしてしっかり生豆の水分量を調節しながら丸一日以上乾燥。独自の半熱風式焙煎機でじっくりと焙煎。余分なチャフ(生豆の外皮)をサイクロンで分離。珈琲本来のすっきりとした味と深みとコクを引き出します。
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像は自慢のフレンチブレンド。手間ひまを掛けた当店の珈琲は、万人受けの「マイルドブレンド」・深い香りの「フレンチブレンド」・ストレートはコクと苦みの「マンデリンG1」・深焙きでも甘さが際立つ「コロンビアスプレモ」・バランスが取れた「ブラジルサントス」・そして珈琲が制限された方に「デカフェ(カフェインレス)」の6種をレギュラーラインアップ。更に日替等を数種交える予定です。kokomocaの珈琲を是非どうぞ。